日頃昼食は弁当持参なのだが、たまたま外食とあいなった。
よくあるチェーン店で、ラーメン数百円。とかいうあの店。
入ったと同時に、横のテーブルにも若き30前後の勤め人がメニューに没頭している。
私は注文早く「中華丼」とシンプルに料理を頼んだのだが、横の若き勤め人「餃子」と「チューハイ」を頼んだのである。
平日の昼日中。ジョッキのチューハイとは恐れ入ったが、その勤め人続いて二杯目の注文までした。「お~っ」っと仰け反るところだが、寸前の所で止まった。
どの角度からみても仕事中の格好である。こんな言い方は変だが、実に真面目そうな若者である。
餃子にチューハイ二杯。「やるね」と感心しつつも、こちらは中華丼のスープで乾杯だ。なんとも情けない。
所が、その若者。続いてメニューを開いた。「そうか、閉めのラーメンか」と思いきや、案の定ラーメンの注文となった。
しかし、ラーメンの注文と一緒に「チューハイ」と掛け声が掛かった。
思わず、テーブルからコケ落ちそうになった。
メニューを受ける女性店員も少々首を傾げての注文復唱である。
その後、彼が何杯飲んだかは見届けられなかったが、もし私も仕事帰りだったら確実に一言声を掛ける所だった。「むむむっ、お主只者ではないな」